しの体験
あの場で上手く言葉に出来なかったモヤモヤとした感情はなんだったか。1日たった今でも消えないのは何故か。一つ一つ整理してみると、1つの気づきが。
私は死というものに、現実味がなかったのである。人が死にゆくなんて当たり前だと思っていたし分かりきっているという顔をしていた。が、私の理解力ではどうやら人は死ぬらしいという噂程度のものだった。
永遠というのはないという。絶対というのもないという。
そういうことはたくさんの人の言葉から聞いていたし、世間の常識で知っていて当然のような。知るのと理解するのとでは違うのかもしれない。
私は大切なものを可視化してしまった。大切だと思う気持ちに気がついてしまって恐怖が湧いた。
そこについて深く考えることが怖くて、その選択肢達はそうそうに消してしまった。本当の核に迫るものは怖くて見れなかった。
あの場でのシェアが恥ずかしく感じるのは自分が自分の知らぬ間に嘘を吐き心を見ようとしなかったから、かもしれない。一時の感情のうそを大衆に晒し、そして恥ずかしくて後日落ち込む。私らしい。が、その落ち込みのおかげでここまで考えられた。この性格も悪くない。最初の1発では上手くいかない性格も年齢を重ねる度に向き合い方が分かってきた。